安部康代さんのコラム「当たり前のことに気付かされ」を読んだら、なぜだか私もコラムを書きたくなった。「実現不可能でもなりたかった職業は何?」という問いから、いろいろな思いが蘇ってきたからかもしれない。私のなりたかったものは、冒険家だった。臆病なくせに、行ったことのないところに行ってみたかったし、やったことのないことにチャレンジしてみたいという気持ちがあり、南極に行った探検家や、異国に漂流した大河ドラマの主人公などに、漠然とした憧れを抱いていた。
今の自分はというと、ランニングにはまっている。実際に走り始めたのは、昨年の夏からで、直接的なきっかけは、ホノルルマラソンに出たいと20数年前から話していたが、未だ何もできていないし、年齢的にも無理かなと思っていると、体験グループで話をしたことだった。グループでは、誰も私に走れと言ったわけではなかったが、なぜだか、やってみてもいいんじゃないかと思い、少しずつ走ることを、生活の中に組み込むことができるようになっていった。
2017年4月から2018年3月に開催された日本陸連公認コースを使用した大会の国内フルマラソン完走者の最高齢は、女性が83歳、男性が92歳だそうだ。私も、先月初フルマラソンにチャレンジして、無事制限時間内に完走することができた。冒険家にはならなかったが、これからも、さまざまなことにチャレンジしていきたい。
このコラムを書き終えて、スマホを見たら、安部さんから私にコラム執筆のバトンを渡したいというメールが届いていた。依頼がある前に、文章からバトンを受けとっていたと伝えた。梶本さんにコラムを送った後、コラムをさかのぼって見ていたら、最初の梶本さんのコラムに、字数1000字以内でと書いてあるのを見つけた。私は、倍近く書いてしまったことに気づき、グループとマラソンのつながりを3つ上げた文章などをばっさり切り捨てて、この経緯を書くことにした。字数のことだけではなく、グループとマラソンのつながりは、もっと浮かんでいたが、言葉にするのが早すぎたような気もしていたからだ。梶本さん、ごめんなさい。フルマラソンを走ることも、コラムを書くことも、コラムを半分にすることも、やればできるものだと思った。
でも、ゆっくりやっていこうと思う。
針生 江美
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