人間語を聞けて話せて、字も書けて、
お酒大好きの「みかん」という名の猫と、
その猫を飼っている小学生の吐夢と家族のお話。
外出自粛で鬱々とする日々、
私は毎日届くこの無料マンガを楽しみにしている。
たくさんの心温まるエピソードがある中、最近の感動作。
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みかんがお父さんになり、
息子(こりんご)が人間語を話せるようになった頃から、みかんは話せなくなった。
ショックで怖くて悲しくて、
みかんも家族もパニックになります。
でも、怖いことをみないフリするとなおさら怖くなるから、と
たくさんたくさん考え抜いたみかんは、
まだ辿々しくしか話せないこりんごに言います。
「言葉を話せるってすごいことなんだよ。
それをお前にはわかってほしい」
猫が人の言葉を話せることが当たり前と思っていた自分をもう一度感じて、
そう言うのです。
みかんは自分に起きたことを受け入れ、
「パパちゃんはあきらめたんじゃない。
練習は続けるよ」
と、優しく言いきかせます。
一方吐夢は、
「みかんは、しゃべらなくてもしぐさや表情で言葉を返してくれる。
何一つ変わらない。
僕はみかんの言葉が聞けるよ。
でもなんだか不思議で泣きたくなる・・・
言葉って、本当に何なんだろう・・・?」
と涙しながらみかんを抱きしめるのです。
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この「言の葉の泉」と題名がついたお話が、
先日参加したライスカレーグループと重なり、切なくて悲しくて涙が溢れた。
ライスカレーグループで、
メンバーが発した「喪失」という言葉。
この言葉が私の胸に突き刺さり、
なんとも言えない気持ちになった。
一つの空間に集まり、顔を合わせ、
グループが生み出す雰囲気を感じながら、
湧きあがる気持ちや思いを話す。
毎年のように参加し、
当たり前と思っていたあのグループを、
共に触れ合い、身体全体を通して、
しまい込んでいた気持ち、思いを表現する。
ずっと続くと思っていたあのサイコドラマグループを、
失ったんだな、と
でも、
新たな試みに参加したからこそ、
当たり前と思っていたグループを失ったこと、そのすごさや大切さ、ありがたさ、
を改めて感じられたように思う。
そして
失った痛み、悲しみを感じながら、
でも、みかんが言うように、
「諦めたわけじゃない。
(自分の思いを話す)練習は続ける」と。
ライスカレーグループが、新たな可能性や希望も示してくれたように思う。
実は当初私は、オンラインのグループに少し抵抗があった。
表面的には「安全性に疑問」ということだったのだが、
こうして思い返してみると、
いつもの当たり前のグループを、
失ったことを認めたくなかったのだと思う。
今までと同じとはいかないけれど、 今できる方法で繋がりながら、 グループやサイコドラマについて、
考えたり試したりする機会にできたらいい。
少し感傷的になりすぎかと思いつつ、
「言葉にする練習」のつもりで綴ってみました。
ライスカレーグループに感謝と、
またみなさんとお会いできることを期待して。
追記
サイコドラマでいうところの「テレ」が起きて、みかんはまた人間語を話せるようになるんです!
藤堂信枝
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