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「やっぱり民主主義だよなぁ」

 最近の世界情勢は、新疆ウイグル自治区の問題、アウンサンスーチー氏と国軍の問題など、民主主義を訴えている人たちや場が次々と失われていくニュースを目にして、私はなんだか葛藤しています。

 そんな中、思い出されるのは日本集団精神療法学会の総会です。

 でも、この学会の総会は違いました。まず、参加者の多さには圧倒されました。狭い教室で開催すると人であふれて、立ち見が出るほどです。そして、報告を聞いた後、出席者から結構手が挙がります。それほど多くはないですが、手を挙げるだけでも勇気がいる場面で手を挙げられるのですから、小心者の私にはなかなかできません。

 総会の体験から感じたことは、

「誰が、どんな意見を言ってもいい」

「勝手に決めない」

「誰もおいていかない」

でした。

その場では誰も言葉にしませんが、私は「学会を学会員の合意で本気で成り立たせようとしているのだ」と思いました。他学会と比較しても、理事会での内容をまるで自分のことのように感じられる総会は、他では体験しえないのかなと思います。

話は戻りますが、「自分たちのことは自分たちで話し合って決める」これは民主主義の考え方です。

 だから私は、勝手に民主主義の学会だなぁと感じています。

 世界の民主主義国家が、お互いを理解しようと思って歩み寄っても、民主主義を放棄した国家とは対話すら成り立たない、武力行使の現実が目の前ですでに起きています。

民主主義は弱いのでしょうか。愚かなのでしょうか。

 この世界で、民主主義を訴え続けることはできるのだろうか、その覚悟が私にはあるのだろうか。民主主義で生き残るにはどのような心構えや技が必要なのだろうか。

 世界で起きていることと独裁的な精神保健医療福祉領域で生きてきた自分との間に、同じ葛藤が存在しているのではないかと考え込んでしまったひとときでした。


                                     藤澤希美


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