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自分磨き

更新日:2018年12月21日


 

 最初はただの石でも磨けば輝いてくるもの。仕事、外見、内面を磨くことで新しい自分を発見できるはずと期待をしたり、理想の自分に近づくために自己投資をすること。「自分磨き」とは、さしあたりこういう意味になるだろうか。

 「自分磨き」といって様々なことに挑戦してきた人は少なからずいると思う。私自身、新しい自分を発見できるはずと期待をこめ「自分磨き」と言ってはジムやヨガ、英会話教室や料理教室へ通ってみたり、短期留学をしてみたりと興味があることには挑戦し続けてきた一人である。身になっているのかと言われると返答に困るが(苦笑)。

 ここ数日、私にとってのグループとは何かを考えていた。ここ10年ほどグループから遠ざかっていたこともあり、グループについて深く考える機会が減っていた。しかも、私にとってのグループとは何かを考える作業がこんなにも大変な作業になるとは想像もしていなかった。コラムのバトンを受け取らなきゃ良かった。と、少し思っている自分がいたりいなかったり…。

 グループとは何かを考え続ける中で、ふと、初めてグループと出会った日の場面が頭に浮かんできた。大学卒業後に就職した精神科病院のデイケアで、私は初めてグループを体験した。デイケアルームに椅子を丸く並べ、メンバーとスタッフが好きなところに座り、開始時間になるのを静かに待つ。デイケア自体が開所したてでスタッフもメンバーも誰もがグループ未体験。緊張感が漂うグループ。コンダクターのDRが「どなたからでもどうぞ」と優しく穏やかな声で一言発し、グループが始まる。とにかく、コンダクターのDRの存在感に圧倒されっぱなしだったことを思い出す。これから一体何が始まるのかという不安と期待、そして緊張。

 病院を退職するまでの間にグループ体験を何回しただろうか。不安と期待、緊張は回を重ねてもなくなることはなかった。グループはとても体力が必要で、グループが終わると頭がズキズキし疲労感に見舞われる。しかし、同時に充実感を味わうこともできた。グループ体験をする度に、自分自身の感情に向き合う難しさ、その感情を言葉にする難しさに直面し続けてきたが、直面することで自分自身を深く掘り下げ自分自身について考えることができた場は、まさに「自分磨き」の場になっていた。と、病院に勤めていた10年間を振り返りそう実感する。

 見た目で分かる外見の変化だけでなく、見た目では分からない内面的な変化を実感できるからこそ、「自分磨き」を実践し続けている人がたくさんいるのだろう。「自分磨き」はそれなりに疲れるもの。少ししんどいなと思うことも多々ある。グループ体験もとても疲れる。「今の自分がこの先、さらに10年も同じ仕事をできているのか?」と不安に思うこともあるが、グループ体験を通して自分自身を磨き続け、まだ知らない新しい自分を発見し続けていきたい。ただの私も磨けばきっと輝くはず…自分を磨き続けることで成長し続けると信じたい。


要野 歩

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